マロンシャンテリー誕生秘話
マロンシャンテリー誕生
日本の洋菓子の祖として知られる、東京會舘初代製菓長勝目清鷹(1900~1972)がモンブラン(白い山のデザート)を見て、1950年頃、日本人向けにアレンジして発案したと言われています。
白い雪をまとった小さな山
朝日に輝く頂の新雪のようにまばゆい生クリームの山の中には、金色にかがやく栗が隠れています。このデザートは、生クリームと栗だけ。だからこそ、パティシエの腕と素材が問われるお菓子なのです。
手間隙とプロの技
旬の時期にことこととじっくり煮込んである栗を漉してペースト状にします。さらに、細かい目の漉し器でていねいに漉します。今度は、大きい目の漉し器で漉してソボロ状にします。これを型に詰め、お皿に抜きます。二種類の生クリームとお砂糖を東京會舘秘伝の配分で合わせ、たっぷりとシャンティーします。
ポイントは2つ。栗を型に入れるときにふんわりと詰めます。これが召し上がっていただいたときにフンワリとしたクリームとあいまってやさしい口当たりとなります。多すぎても、少なくてもこのハーモニーは生まれません、ふたつ目は、純白のクリームを硬めにたて、ドームに均等に絞り、ぴんっと角をたてます。これがキレイに絞れなければお客様にお出し出来ません。ですからパティシエは一つひとつ真剣に、心をこめて絞ります。50年以上の時を経てもなお、誕生した時から変わらぬ老舗ならではの伝統の味をぜひこの秋お試しください。