お茶会の副席では、和やかに寛いだ雰囲気の中でお干菓子をいただきます。
干菓子とは、水分20%以下の菓子。
昔から、お供えものや、冠婚葬祭のおつかいものとして発達してきました。
お砂糖の塊のような干菓子。この砂糖は、分蜜糖と、含蜜糖に分類されます。
● 分蜜糖は、白砂糖や三温糖 ・・・ こちらは主に普段使い
● 含蜜糖は、白下糖や黒砂糖 ・・・ 白下糖は、高級な和三盆の原料
砂糖と澱粉質の粉を木型で固めて打ち抜いて作るお菓子は、「打物菓子」と呼ばれます。
郷土の銘菓にも優れた打物菓子がたくさんあります。
打物菓子を中心に、干菓子で季節のうつろいを楽しんでみました。
1月: 越の雪(新潟) | 2月: 花うさぎ(石川) | 3月: 貝千年(会津) |
4月: 吉野懐古(奈良) | 5月: 二人静(愛知) | 6月: ちどり(京都) |
7月: 五色糸(東京) | 8月: 長生殿(石川) | 9月: くりは奈(長野) |
10月: 玉うさぎ(新潟) | 11月: 和三盆(徳島) | 12月: 麦落雁(栃木) |
打物菓子の代表、落雁
米などから作った澱粉質の粉に水飴や砂糖を混ぜて着色し、型に押して乾燥させた菓子。
成型前に蒸すか、後で蒸すかによって、2種類の製法があるそうです。
●蒸して乾燥させた米(糒、干飯)の粉に水飴や砂糖を加えて練り、型にはめた後、
ホイロで乾燥。
●加熱していない米の粉に水飴を加え成型し、セイロで蒸し上げた後、
ホイロで乾燥。 白雪糕(羹)(はくせつこう)と呼ぶ。
落雁に見た目は似ているけれど、和三盆のみを固めた高級な打物菓子もあります。
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和三盆のおはなし
お干菓子に限らず、高級な和菓子に使われる和三盆糖は、手間ひまかけて丁寧に作られます。
まず、白下糖を盆の上で適量の水を加えて練り上げて、
砂糖の粒子を細かくする「研ぎ」という作業を行った後、
研いだ砂糖を麻の布に詰め「押し舟」という箱の中に入れて重石をかけ圧搾し、黒い糖蜜を抜いていく。 この作業を数度繰り返し、最後に1週間ほどかけて乾燥させ完成させるのだそうです。
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最後に、再び干菓子の種類
打物菓子は、木枠に砂糖と粉を入れて押し固めますが、
砂糖と粉を薄くのして、クッキーと同じように型を抜く「生砂糖(きざと)」というタイプもあります。
春は梅や桜に、秋は銀杏、紅葉や松葉に型抜きしたものが、茶会に「吹き寄せ」として登場します。
打物菓子のほかにも、「雲平」や「有平」など技巧を凝らした細工もののお菓子があります。
壊れやすいので、出張や旅行の際にぜひお店に足を運び、大事に持ち帰りたいものです。
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