寄り目の石狐
江戸時代に、日本通運の開祖にあたる飛脚問屋、京屋弥兵衛が、幕府の免状を受け、運送事業を開始する。しかし、当時、その安全面において、運送業の生業に世間が理解を示しておらず、なかなかうまく行かなかった。そこで、道中の安全の期すため、伏見のお稲荷様に祈願を続け、自店にも勧請をし、修練を続けていたところ、夢枕に、王冠白衣のご神霊が立ち、黄金の網を授けると、成功祈願の御信託を受ける。弥兵衛は早速、自店の神様を「金網稲荷大神」と讃え、信仰に励んだ。すると、飛脚事業における道中の人災はなくなり、厄除、交通安全の加護を受け、信頼を増し、商売が繁盛していった。その後、明治4年陸運元会社に統合され、内國通運、國際通運、日本通運と準当に成長し、現在の奇蹟を生み出して行ったとされる。
千代田区神田和泉町